「人生に、寅さんを。」第二弾、増刷のお知らせ

ドリームデザインが企画&アートディレクションに参加した、「人生に、寅さんを。」第二弾が、増刷されたというご連絡をいただきました。

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ここで、ちょっと思い出話。

名言集であり写真集でもあるこの「人生に、寅さんを。」という本は、
もともとは、ポスターとしてスタートしました。

2008年の仕事なので、もう4年前のことになります。
国民的人気映画である「男はつらいよ」の40周年企画を、
松竹さんと一緒に進めることになりました。

なので、この仕事をはじめるにあたり、まずは1本、
ちゃんと「男はつらいよ」を見てみよう、と。

TVなんかでは、なんとなく見たことあるけど、
自分から積極的に見たことはない。
そんな「ほぼ寅さん初心者」の自分は、この映画を見てどう思うのか。

すると・・・とてもおもしろかったのです。
笑えるし、泣ける。しかも、喜劇の人だと思っていた寅さんが、
無性にかっこよかった。何本見ても、やっぱり、かっこよかった。
いいこと言うし、深い。これは発見でした。

もちろん、ファンには周知の事実です。寅さんは、かっこいい。
しかし、「男はつらいよ」を見ていない若い世代は、
古くさい喜劇の人、というステレオタイプな印象を持っている。

少なくとも、自分はそうでした。でも、事実は違う。
その違いが、今回のコミュニケーションの鍵じゃないか。
そう思ったのです。

「映画を見なきゃ分からない寅さんのかっこよさを、
映画を見たくなるかっこよさ、に集約し、ポスター展開しよう。」
そうチャレンジを設定しました。

40周年を機に、ステレオタイプを裏切ろう、ということです。

なのでビジュアルは寅さんの喜劇的側面だけでなく、
相反する内面を感じられる陰影のある絵、モノクロの写真でいこう、と決めました。
(今までに「男はつらいよ」をモノクロにした表現はありませんでした)
そこに、寅さんの珠玉のセリフをのせる。

松竹の人が打ち合わせで言った、
「寅さんのセリフは、アリアである」という言葉も、
この企画の背中を押してくれた大きな要因のひとつです。

ADの加藤さんは、松竹の倉庫にこもって
過去のスチール素材及び映画フィルムの切り出し素材から、
構成・表情ともに優れた寅さんのビジュアルを探し、

それと並行してコピーチームは全作品の脚本をひたすら読み、
いいセリフ、胸を打つ言葉を直感的に拾っていく。

それらを組み合わせて出来上がったのが、全60パターンのポスターです。

都内各駅にそれぞれ、その駅の周辺環境に合わせて言葉を変え、
ポスターを掲出しました。

たとえば渋谷駅は「アイ ラブ ユー。できるか、青年。」という言葉。

結果は、本当に大きな反響をいただきました。
狙っていた若い世代はもとより、既存の寅さんファンからも、
「そうそう、寅さんって、こういうかっこよさなんだよな!」と
言葉をもらえたのは、何より嬉しいことでした。

そして、その反響を受けてポスターがまとめられ、一冊の本に。
これが「人生に、寅さんを。」の誕生した経緯です。

売れ行きも好評で、続いて第二弾も発売されました。
Twitterやブログで検索してみると、今でも多くの人が、
この二冊の本を話題にしてくれています。
プレゼントに送ったという人も、多いみたいです。

そんな風に、自分たちの仕事が残っていくのは、とても嬉しいことです。
ロングセラーになって寅さんの50周年にもまだ残っていたら、もっと、嬉しいですね。

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