2011年9月のアーカイブ

2011.09.27  いてくれてありがとう げんきになったよ

これは、3歳の子が動物園でどうぶつを見ながら、つぶやいたことばから生まれた、人と動物の関係を表した標語です。その子の呟きをお母さんかお父さんが拾い上げて、動物愛護週間の標語に応募してくれたのでした。
「いてくれてありがとう げんきになったよ」。この標語は4人の審査員全員の賛同を得て環境大臣賞に選ばれました。

主催の社団法人日本動物園水族館協会では、「動物愛護に関する標語コンクール」を毎年行っており、今年は36回目。ぼくは第1回から標語審査に携わってきましたが今年は応募が多く、全国49動物園と20水族館から、合わせて8,919の応募がありました。各動物園・水族館で5点に絞った計340点が中央審査会で審査され、金賞5点(内、環境大臣賞1点)、銀賞15点が選ばれます。

審査員は次の4名。
西山理行(環境省自然環境局総務課動物愛護管理室 室長)氏
中川李枝子(童話作家)氏
朝倉 勇(コピーライター)
山本茂行(社)日本動物園水族館協会 会長

ぼくの関心事は、東日本大震災と東京電力第一発電所大事故の影響が、標語にどのように反映するかでした。例年、標語には社会の認識がどことなく反映されます。市民は暮らしの中で敏感に時代の傾向や問題を受け止めているのです。そこで今年の【3.11】はどういう反応になって示されるだろうと注意して審査に臨んだのです。

そして、「ありがとう」という言葉に出会いました。表題に掲げた「いてくれてありがとう」はそれを代表するような素朴で真実な気持の吐露と言えるでしょう。幼い子どもが大好きな動物に再会して、「あっ、いたいた!」と呟き、親は「ああ、いてくれた」と安堵。その親と子の気持がこの標語になったと想像されます。人と動物が「ともに生きて」いく地球の環境、それこそが動物愛護の基本であることをこの標語は感じさせてくれます。

「ありがとね 地球の仲間に 感謝です」
「どうぶつえん いきるちからを ありがとう」
金賞・銀賞20点中3点が、動物を見て感謝の気持を表していました。昨年までの標語にはなかった表現です。生きていること。当たり前のようなこのことが、家族だけでなく動物たち「命あるもの」との絆を思わせ、生きていること自体に感謝の気持を起こさせている。
大災害が市民にもたらした、いのちを尊ぶ意識、いのちあるもの同士の助け合いを深め、いのちが繋がっていることを「ありがとう」と表明していることに、ぼくは感じ入りました。
 
金賞・銀賞にはこんな標語もありました。
「なつまでね じいじの車庫は つばめです」
「地球では どうぶつ先輩 ひと後輩」
「みんな地球のおかあさんから生まれた子どもたち」
「在来種 自分で来たくて 来たんじゃない」
「ウンチする ボクも 金魚も ゾウさんも」
「動物の 生き方通して 自然知る」

表彰 
9月23日、東京上野公園で開催の動物愛護中央行事には、金賞受賞の5名が全国から招かれ、環境大臣賞をはじめメダル授与する表彰が行われました。(2011.09.27. A)

0件のコメント

2011.09.15  「天声人語」は、こう書いています

9月15日の朝日新聞コラム【天声人語】はかなり良識ある指摘を行っています。日本という国の不思議、非常識が描かれていると思います。ごいっしょに読みましょう。

【天声人語】
バイキング料理の軽いストレスは、自分の浅ましさを思い知る点にある。元を取るぞという貧乏性が食欲にかぶさり、せっかくの美味は渾然たる「ごちそうの山」と化す。この手で好きなだけ盛れる怖さ、お手盛りの語源である
▼東京電力が、来年度から3年間をめどに、15%の料金値上げを欲しているという。社員の給与カットは5%だからお手盛りくさい。半減とはいえボーナスがあるのも驚くが、値上げ期間が終わったら元に戻したいらしい
▼安定供給の名の下、会社が赤字にならぬよう、電気料金は事前に見積もった費用に利潤を乗せて決まる。勢い、見積もりが多めになるのは「ごちそうの山」の常である。地域独占なので、コスト減らしの競争意識は乏しい
▼倒産しかねない大公害なのに、国策ゆえ、想定外だからと救われる公益事業。被災した町工場や商店は納得いくまい。今の東電には、食べ放題ではなく質素な昼定食が似合う。身を削る努力を求めたい
▼なお、月50万円減らした国会議員の歳費が、10月から元の129万円に戻りそうだ。こちらのお手盛りは血税の米びつからとなる。臨時国会を4日で閉じての満額復帰、これで東電に大なたを振るえようか
▼「原発ゼロ」に言及した前経産相が辞め、業界がほっとしたのもつかの間、後任の枝野幸男氏は電気料金の仕組みに切り込む考えと聞く。利用者の怒りの声に、どうか大きな耳を傾けてほしい。放射能、停電、節電ときて大幅値上げでは、公益の名が廃る。

 というコラムです。指摘点は分かりやすい、でも論調は穏やかなものですね。
 電気料金は、発電にかかる、あらゆる費用を総合し、それに何%かの電力会社の利益を乗せて決めることになっているという。ということは、簡単にいうと「企業努力」は要らないのでしょう。
 使ったお金に利益を掛ける。だから、どんなに費用が増えても損しない、赤字にはならない。呑気な経営です。しかも、地域独占事業。競争相手はいません。安心して生活者に電気料金を払わせればよい、という仕組みなのでした。
 まだ福島第一原発の爆発事故は収束せず、放射能被害はますます深刻になっている中で、もう社員のボーナスを計上しています。この会社、「企業モラル」はあるのでしょうか。「公益事業」社としての自覚と責任感はあるのでしょうか。

2 件のコメント

2011.09.04  地球の生理が狂ってきた?

大型台風12号は瀬戸内海、岡山県を抜けて日本海に出ました。その時速はなんと10キロメートル。自転車よりも遅いノロノロです。これまで、これほど遅い動きの台風の記憶はありませんでした。しかも強風と豪雨。すでに西日本では甚大な被害が続出し、50万人に避難指示と勧告が発令されました。50万人もの人の避難場所はあるのでしょうか。
なにか、ことし日本は自然界から厳しく叱られているような、そんな気持さえ頭をかすめます。

ところが、異常気象は地球各地でも。パリの友人からのメールでは、8月は夏らしい日は数日しかなく寒さを感じる日が続いたという。
すると8月28日には、滅多に起きない大型ハリケーンがアメリカ東海岸を襲いました。ニューヨーク市だけでも35万人が強制避難、市の機能は止まったという。35万人の市民はどこに避難を?

台風もハリケーンも、気象情報では高気圧と低気圧の関係、海水の温度など、直接的な原因で説明されます。しかし、もっと深い原因、遠い原因は説明されません。なぜ、東と北に高気圧が居座わり台風12号の歩みを押さえいたのか、なぜ海水温度は高いのか、これらの状況を生み出している眞の原因は何なのか。やはり、地球温暖化でしょうか。

地球という生命体になにか異変が起きているらしい。
地球は大きな生命だと思います。生命ならば生体としての秩序とリズム、つまり「生理」があるはず。それが「生理不順」に陥っている。その症状として表れているのが、異常気象ではないでしょうか。地球の秩序・生理を狂わせているもの、それこそが真の原因、いわば犯人なのではないでしょうか。

経済優先、あらゆる便利、ますますスピード化、それらの追求。こうした、自然の秩序を軽視した経済社会が、「天」から叱責されているような気がします。目先の利益に狂奔してきた20世紀経済社会のつけが、さまざまな現象・症状として地上に表れているのではないか、と。
いや地球の長い歴史には、天変地変は度々あったからね。と、言う声も聞えてはくるのですが。(2011.09.04 A)

0件のコメント