2012年3月のアーカイブ

2012.03.26  清明という名の季節に

ブログ再開、清明ま近です。
清明(せいめい)。「四月五日ごろ。天地には清らかな空気が満ち、萌え出た草木の芽がはっきりしてくる時季」と広辞苑は紹介しています。

 清明になる前に、元気を届けてくれたのはあの宣誓でした。3月21日、春の選抜高校野球での石巻工業高校野球部主将阿倍翔人君の朗々たる声でした。
 妻と共にそれをNHKのニュースで聞きながら、涙を禁じ得ませんでした。私は2月で81歳になりましたが、高校球児の宣誓でこれほど心にしみたことはありません。妻が切り抜いてくれた新聞がここにあります。選手宣誓の全文をゆっくり読みました。なにか、天の声を聴くような感銘を改めて感じました。
 皆さんと共にもう一度読んでみましょう。

以下、阿倍翔人君の宣誓全文です。

 東日本大震災から一年、日本は復興の真っ最中です。被災された方々の中には、苦しくて、心の整理がつかず、今も当時のことや、亡くなられた方を忘れられず、悲しみにくれている方がたくさんいます。
 人は誰でも、答えのない悲しみを受け入れることは苦しくてつらいことです。しかし、日本が一つになり、その苦難を乗り越えることができれば、その先に必ず大きな幸せが待っていると信じています。
 だからこそ、日本中に届けます。感動、勇気、そして笑顔を。見せましょう、日本の底力、絆を。われわれ高校球児ができること、それは全力で戦いぬき、最後まであきらめないことです。今、野球ができることに感謝し、全身全霊で、正々堂々とプレーすることを誓います。

 宣誓の籤を引き当てた夜、翔人君はミーティングで「自分たちの言葉が、東北、宮城、石巻の言葉になる。一緒に作り上げよう」と部員に語りかけた。選手たちはそれぞれの思いをボードいっぱいに書き、2日かけてまとめたそうです。全員が「思いを共にして」創りあげたメッセージだったのですね。助け合い、支え合い、励まし合う被災地の人びとの姿が浮かびます。

 その姿が全国の人びとの心を打ったのでしょう。人は、共に助け合い、支え合って生きている。それを思い知らせてくれた宣誓の言葉、精神、姿勢に感動し、合わせて日本の希望を感じたのでしょう。
 私もそうでした。そして、「教えるとは希望を語ること。学ぶとは真実を胸に刻むこと」という、詩人ルイ・アラゴンの言葉を思いました。

 それにしても、どういう偶然が、参加32校の中から被災地石巻工業高校を選手宣誓校に選ばせたのか。籤を引いたのは阿倍翔人君です。これは、偶然でしょうか。いや、なんというか。「天の配剤」でしょうか。
 「神懸かっている」と、監督の松本嘉次さんは洩らしたそうです。

 清明という文字にぴったりの高校生の宣誓。よい春が東北に、日本各地にきてくれることを思わずにいられません。
 石巻工業高校、阿倍翔太君、ありがとう。(2012.03.26.a)

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