2011.05.02  牛も野菜も(抗議デモ・その2)

 4月26日(火)、東電原発の爆発事故で被災した農家や酪農家たちが、東電本社前に集りました。朝日新聞は一面で、かなり大きな写真とともに次のように伝えました。

抗議 牛も野菜も 東電本社で前に被災農家

 「安全な農地を返せ」「東電はすべて償え」。福島第一原子力発電所の事故で出荷停止や風評被害などを受けた農家ら約400人が26日、東京都内の東京電力本社前でむしろ旗などを掲げて抗議した。▶2面=東電賠償に上限論

 福島県や茨城県などの農家や酪農家らが集った。トラックで福島県や茨城県の牛を運んできたほか、出荷できなくなったホウレンソウを並べ、「東電は誠意を示せ」などと訴えた=写真、内田光撮影。

 農家の代表は賠償を急ぐよう求める要望書を東電の担当者に手渡したが、東電側は「原子力損害補償紛争審査会の指針に沿って保障する」と答えただけ。(以下略)


 思い出したこと。パリのエッフェル塔の西に、芝などの緑地帯が長く伸びている広い場所がある。シャン・ド・マルスです。数年前、政府の酪農政策に憤った酪農家たちは、たくさんの乳牛をこの緑地帯に放って抗議デモを行ったという。この場所は、エッフェル塔を眺める絶好の場所、抗議の効果は大いに高まったそうです。

 日本は、残念ながら「広場」のない国です。市民が集まって、討議、抗議、催事などを行う公共の場がない。古代ギリシャの都市国家にはアゴラ(Agora)と呼ばれる広場が街の中心にあって、市民たちの討議、語り合い、催事の行われる公衆の場だったといいます。広場は民主主義社会の象徴に思えるのです。

 福島県や茨城県の農家や酪農家の皆さんは、抗議の乳牛や野菜を東電本社から持ち帰ったのでしょうか。被害の産物なのだから、そっくり呈上してきてもよかったのではないか、と思えますが。

 一方、東電側は「賠償に上限を」という姿勢のようです。財界や銀行と共に、政府に働きかけています。国費=国民の税金でという発想です。原発事故が原因で生じた放射能被害、原因をつくった側が賠償するのは当然でしょう。

 いま、CSR(企業の社会的責任)が企業にとって重要なテーマになっているなかで、原発放射能被害はどのような結末になるのでしょう(A)。

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