2011.07.19  ありがとう「なでしこジャパン」

ローマは一日にして成らずというけれど、一瞬で記録される歴史もあるのですね。アナウンサーが「勝った、勝った、ニッポン勝った!!」と絶叫したとき、日本と世界に画期的な新事実が起こりました。女子サッカー世界選手権ドイツ大会で、「なでしこジャパン」がアメリカを破って優勝。そして2011年7月17日のこの事実は一瞬で記録となり、歴史になったのです。

獲得した点数や数字で勝ち負けを決めるスポーツ競技。もっとも明快な優劣評価です。この明晰な評価にかかわることのできた監督と選手たち、そして関係者たちの深い幸せを思います。
テレビ映像で勝利の瞬間を見たときぼくは鳥肌がたち、胸がつまり、言葉が出なかった。特別な喜びは「アメリカ」に勝ったこと。ほかのどんな国でもなく、相手がアメリカであったという、実に他愛のない個人的な感情が燃えました。そして、ティッシュペーパーが必要でした。

勝者たち。この日を、強い意志で夢み、目指し、自分改革しつづけ、希望という目標で連帯してきた女性たち。働きながら夕方の練習に参加した人も多いという。世界の大舞台で不可能にも近い足跡を刻んだ女性たち。彼女たちを貫いていた心棒は、「志」だっただろうと思います。そして日常心。スター根性ではない。その顔の表情と態度を見て、ぼくはそういうものを感じました。

ひょっとしてそれは、かつて「武士道」といわれた道徳性ではないだろうか。そんな連想も浮かびました。
日本中の市民たちは「なでしこジャパン」の優勝・世界一から、それぞれに大きな贈り物を頂いたことでしょう。ぼくは改めて「夢」と「希望」そして「忍耐」の大切さを思いました。80歳からの人生にも、夢と希望、そして忍耐は必要なのです。まして若い友にとって、強い意志の力で自分の夢を描き、希望を掲げ、なでしこのように連帯してほしいと思います。志を燃やしてほしい。

(自分の来し方には、死に直面した重篤の病気の日があった。それを生き抜いたのは夢と希望だった。死神を許さない覚悟だった。才能に乏しい自分、それを鼓舞し努力の持続をさせ、自分らしさの創造へ、を自覚させたのも志だった、ポジティブな姿勢だった。などが回想されます)。
「なでしこ」たちの努力はどれほどのものであったか。恐らく想像を絶するレベルでしょう。氷山の一角が世界一の栄冠であり、その結果を生み出した努力の塊は水中にあって見えません。

武士道と上に書きましたが、米国メディアが称讃した背景には「技」を超えた日本人の精神性を感じとったことがあったのではないでしょうか。それと同時に米国ジャーナリストの客観的視点と公平性に感じるものがありました。

日本を変えていくのは女性であろうと、30年も前に若い友と語り合ったことを思い出します。小国・無資源国の日本、人口過密の日本。つねに、卑屈なまでに米国追従に終始してきたこれまでの日本の政府・官僚・財界。そのツケとしての東電福島第一原発の収拾のつかない爆発事故と放射能放出。

こうした現実のなかに生まれた純度の高い勝利。つましいギャラで、働きながらの成果は、いっそう尊いものに思えます。各分野で日本人が見習うべき多くのことを、あの女性チームはもたらしたと思います。

ほんとうにありがとう、「なでしこジャパン」。(A)

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