2011.07.12  12歳の少女が起こしたスタンディング・オベイション

国連「地球環境サミット」の本会議場で、並みいる世界の代表たちを「スタンディング・オベイション」させた12歳の少女がいました。1992年6月、ブラジルのリオ・デ・ジャネイロで行われた会議で、その少女が行った6分間のスピーチです。

そのニュースは世界を駆け巡り、日本でも話題になりました。少女の名はセヴァン・スズキ。彼女はなにを語ったのでしょう。
テーマは「あなたが世界を変える日」。子どもの立場で考える地球についてのアピールでした。地球環境を考えるとは、未来を考えること。未来の市民、主人公は子どもたち。それなら「地球環境サミット」は「子どもたちの声」を聞くべきだと考えたのでしょう。

セヴァンは自力で寄付を集めてブラジルまでの旅費・滞在費を作り、子どもたち5人と両親+大人1人を「連れて」リオに飛んだという。なんというコミュニケーション力と行動力!でしょう。
彼女は大人たちがつくった地球の現状を指摘し、地球に生きるすべての生命のあるべき姿を語りました。
「どうやって直すのかわからないものを、こわしつづけるのはもうやめてください」。
リオの「地球環境サミット」で唯一、出席者全員が立ち上がって拍手をつづけたというのです。

さらにセヴァンはこう言います。(全文引用したいのですが長くなりできません)。
 「学校で、いや、幼稚園でさえ、あなたたち大人は私たち子どもに、世の中でどうふるまうかを教えてくれます。たとえば、
 *争いをしないこと
 *話しあいで解決すること
 *他人を尊重すること  
 *ちらかしたら自分でかたづけること
 *ほかの生き物をむやみに傷つけないこと
 *わかちあうこと 
 *そして欲ばらないこと

 ならばなぜ、あなたたちは、私たちにするなということを、しているんですか。
 なぜあなたたちが今こうした会議に出席しているのか、どうか忘れないでください。そしていったい、だれのためにやっているのか。
 それはあなたたちの子ども、つまり私たちのためです。みなさんはこういう会議で、私たちがどんな世界に育ち生きていくのかを決めているんです」

この少女セヴァンのアピールに感銘を受け、ドキュメンタリー映画化を考えた監督がいました。フランス人のジャン=ポール・ジョー監督です。いま、その映画が上映されています。日本の題名は『セヴァンの地球のなおし方』。
(英語では” The voice of our children”。 フランス語では”La voiz de nos enfants”。いずれも「私たちの子どもたちの声」という題名で、ぼくはこちらの方が好ましいと思いましたが)。

上映館は、
◎東京都写真美術館ホール:電話03-3280-0099
◎渋谷アップリンク:電話 03-6825-5502 。
全国順次公開へ。

ドキュメンタリーの手法も、影像も、優れて、鑑賞にも耐える優れた映画だと思いました。とくに心に残ったのは、いまは母親になったセヴァンが、希望について語るときの表情の美しさです。内側からやわらかい光がさしてくるような、観音さまのような慈悲に満ちた美しさは、静かな説得力をもっていたと思います。

日本人の血を受け継いでいる女性セヴァン・スズキ。その人間性が語る生命への愛。それが、欲望に支配されがちな大人の現実世界をどこまで変えていくことができるのか。それは、私たち地球市民の共感と自覚、そして行動にかかっているように思えました。

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